東日本大震災、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所事故から５年が過ぎました。事故の収束には、まだほど遠い状況です。顕法寺がある二本松市には浪江町の仮設住宅があり、多くの方が不自由で不安な生活を送っています。日本を見れば、原発事故の検証もしっかりなされないまま各地で再稼働や再稼働に向けての準備が進んでいます。そして、このような状況の中にあっても、政府は、避難指示解除に向けての準備を進めています。

「電気」＝「人間の欲望」のように思います。電気を使って私の生活を「より」便利に「より」快適にしていきます。「より」の行き着く先が「原発事故」。私自身の欲望をもう一度問題にして考えていくことがなければ、エネルギー問題の解決は遠いように思います。また、事故が起きればそこには「差別」が生まれることも知らされました。「人への差別」「物への差別」「情報の差別」などその差別は助長されます。

すべてのいのちを摂めとって捨てない阿弥陀仏の本願を仰いで生きようとする念仏者として、原発事故の厳しい現実から目をそらしてはならないと思っています。

福島県内には、事故後各地に放射線量を計るモニタリングポストが設置されています。テレビ、新聞でも各地の放射線量が報道されています。しかし、モニタリングポストは、その周囲が除染され数値が低く表されているようです。そこで、一般的な場所の放射線量はどうなのか、顕法寺の本堂、御内仏間、駐車場、そして除染した土が埋まっている場所の四カ所について一週間ごとに放射線量を計りお知らせします。自分の住んでいる地域の放射線量と比べていただけるとありがたいです。